夏の夜は田んぼでアマガエルが一斉に鳴いていますね。
日本の夏という感じがします。
よく聞くと、一斉に鳴いていると思ったら一斉に鳴き止んで、シーンとなることもあります。
なぜ一斉に鳴き止むのか不思議ですよね。
アマガエルが大声で鳴いているとうるさくて眠れず、困っている人もいます。
アマガエルを鳴き止ませることはできるのでしょうか？
「アマガエルなぜ夜に鳴く？一斉に鳴き止む理由2つと、鳴き止ませることはできる？」と題してまとめました。
アマガエルなぜ夜に鳴く？
天敵に見つからずに繁殖行動をするため
多くのカエルは夜に求愛行動を行います。
なぜ夜なのかというと、昼に鳴くとサギなどの天敵（鳥類）に見つかって食べられる危険があるためです（ゴイサギやアオバスクなど夜行性の鳥に食べられてしまうこともあります）。
アマガエルは水の中に卵を産むので、夜になると田んぼなどの水辺に集まって鳴きます。
ちなみにオタマジャクシからアマガエルになったあと、田んぼを離れて暮らしていたアマガエルは、生まれた田んぼに戻って来て産卵期を過ごすといわれています。
鳴くのはオスだけです。
アマガエルのオスが鳴くのは、縄張りを宣言したり、メスを呼んだりするときです。
アマガエルのオスの喉には鳴嚢（めいのう）という袋があってここで音を共鳴させてなくので、大声になります。
メスのカエルに人気があるのは、大きな鳴き声・低い鳴き声だそうです。
大きな鳴き声は丈夫で元気な個体、低い鳴き声は体が大きくて立派ということなのでメスにモテるのだとか。
なるほど、理にかなっていますね！
アマガエルが一斉に鳴き止む理由2つ
- 天敵に見つからないようにするため
- みんなで休憩している
夜、田んぼでうるさいほどケロケロと大合唱していたアマガエルが、ふいに一斉に鳴き止み、シーンと静かになることがあります。
この現象、不思議に思う人も多いのではないでしょうか。
しばらくすると、またふいに一斉に鳴き始めますね。
どうしてそんなことが起こるのでしょうか。
アマガエルのボスがいて合図をしているのでしょうか？
諸説あるようですが、２つをとりあげます。
順番に見ていきましょう。
天敵に見つからないようにするため
カエルの天敵の鳥類は夜には目が見えないため見つかりにくいのですが、前述した夜行性の鳥や、たぬき・キツネなどが近づいてくることがあります。
そんな気配を察知したとき、見つからないようにするためアマガエルは鳴き止むと言われています。
皆が次々に敵の気配を察知して鳴き止んでいき、全体が警戒モードになってシーンとなるのでしょう。
みんなで休憩している
ニホンアマガエルの合唱は、個々では鳴くタイミングをずらし、全体では一斉に休む時間がある――筑波大学、大阪大学が1月9日、そんな研究結果を発表した。
ー中略ー
研究チームは、オスのカエル3匹を50センチ間隔で並べ、録音した鳴き声を解析。短時間でみると「オス同士は鳴くタイミングをずらしている」という先行研究の結果に加え、長時間でみると「鳴いている区間（時間帯）をそろえる」という性質を確認した。
同チームは、個々のカエルは鳴くたびにエネルギーを失い、疲労度が増すという仮説を立てた。その上で、エネルギーと疲労度、周囲で鳴いているオスの有無によって発声状態（周期的に鳴き声を発する状態）と休止状態（鳴かずにエネルギーの消費を抑える状態）を確率的に切り替える数理モデルを作り、シミュレーションしたところ、実際のカエルの合唱を再現できたという。
＜ITメディアニュース：カエルの合唱に“一斉に休む”法則 IoTに応用、通信安定に期待より引用＞
この研究によると、日本アマガエルのオスは個々ではタイミングをずらして鳴き、全体では一斉に休む時間がある、ということがわかったそうです。
たしかに夕方から夜遅くまで小さな体で一生懸命鳴いていると疲れるでしょうね。
皆で鳴いて皆で休むなんて…かわいいですね。
アマガエルを鳴き止ませることはできる？
できません
アマガエルがたくさんいる田んぼの近くに越してきた人や、たまたまそんなところに泊まった人が、夜のカエルの大合唱があまりにもうるさくて眠れない、どうにかできないか？と困ってSNSで相談しているのを見かけます。
確かにカエルの声は集まると大音量になりますよね。
筆者も子供のころ夏休みに田舎の祖母の家に泊まりに行ったとき、あたりを埋め尽くすようなカエルの大合唱に、いったいどれだけのカエルがいるのかと、怖くなった思い出があります。
それまでの生活の中になかった音で、夜なのでよけい際立って聞こえますよね。
眠れなくて、なんとか静かになってくれないかと切実に思う気持ちもわかります。
しかしそんなときの対処法は
- 耳栓をする
- 音楽を聴いて紛らわせる
- 窓を閉めてエアコンをつけて寝る
- 二重窓にする
- 遮音カーテンにする
- そのうち慣れるので我慢する
などしかありません。
基本的にカエルの声は自然の音なのでどうすることもできない、というのが大方の答えのようです。
以前にはカエルの声をめぐって裁判になった事例もあったそうですが、結局訴えは認められなかったということです。
隣家の池にすむカエルの鳴き声が耐えられない――。東京都板橋区の住宅街で起きた「騒音トラブル」を巡り、住人の男性が隣家に「全てのカエルの駆除」と７５万円の損害賠償などを求めた訴訟があり、東京地裁（益留龍也裁判官）は２３日、原告側の請求を全面的に棄却する判決を言い渡した。「カエルの鳴き声は自然の音の一つで、我慢すべき限度を超えているとはいえない」との判断だった。
＜読売新聞オンライン：「隣家の池のカエル、鳴き声耐えられない」と訴え…東京地裁「自然音」と請求棄却より引用＞
自然に囲まれて眠れるんだー、とおおらかな気持ちでいるのがよさそうですね。
&
こんなのが冷蔵庫に張り付いてたら本物かと思ってしまうかも↓
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まとめ
「アマガエルなぜ夜に鳴く？一斉に鳴き止む理由2つと、鳴き止ませることはできる？」と題してまとめました。
アマガエルが夜に鳴くのは、天敵に見つからずに繁殖行動をするためです。
アマガエルが一斉に鳴き止む理由は、天敵に見つからないようにするためと、みんなで休憩しているためという説があります。
アマガエルを鳴き止ませることはできません。
最後までお読みくださりありがとうございました。
