小学生が発案し、大学生や企業と協力して世に送り出した商品、それが「さんぽセル」です。
ランドセルに装着して使うことができ、ランドセルを引っ張って歩けて、装着したまま背負うこともできる画期的な商品です。
販売が開始されてから注文が殺到し、2022年6月現在では4か月待ちの人気となっています。
このさんぽセルには発売当時から多くの称賛・批判が寄せられ話題になりました。
さんぽセルの使い方や取り付け方、値段や販売店についてはこちらでまとめています。
「危険ではないか?」「学校で禁止されるのでは?」という意見も多いです。
今回は、さんぽセルを実際に使うと想定したときに考えられる問題点を「さんぽセルは危険?学校で禁止される可能性も!そもそもランドセルが不要?」と題してまとめてみました。
さんぽセルは危険?
さんぽセルを使用するうえで、危険はないでしょうか。
考えられることは
- 狭い道で歩行者や対向車、家の塀などにさんぽセルがぶつかる
- 側溝のふたや踏切横断時にさんぽセルが引っ掛かる
- 登校班で歩くとき、後ろを歩いている人が前の人のさんぽセルにひっかかる
です。
とくに登校班では、前の人との距離を開けないように言われていることが多く、それを守ろうとするとかえって危なくなります。
実際に歩いてみないことにはわかりませんが、心配ですね。
さんぽセルが学校で禁止される可能性とその理由
残念ですがあります
理由はすでに述べた危険が伴う可能性があることと、以下のように危険なこと以外での問題点も予想され、学校側が対処することが難しいと思われるからです。
騒音
一番大きな問題だと予想されるのが騒音です。
さんぽセルとかいうランドセル発想は凄く良いと思うけど、集団登校時のガラガラって騒音と道の幅余計に取るとか人にぶつけるとかの苦情で学校から禁止出たりしそうw
— ねこくま (@nya_neko) June 7, 2022
さんぽセル、キャスターの騒音で学校に苦情入りまくって禁止令出るオチと予想
下手すると健康被害出そう— カラシにこふ (@uE1mcFBRKVU0ePG) June 4, 2022
さんぽセルで気になる点とすれば、キャリー同様コロの音がどうなのか…。
大勢の学生がほぼ同時刻に通学する中でコロの音が騒音にならなければいいが…。— ゆで卵。たいし。 (@Lovesnow2014) June 4, 2022
キャスター付きのスーツケースを転がすと、とても大きな音がするものがありますね。
うちの近所でも小学生は数人から十数人の集団でまとまって集団登校をしており、朝はその集団がいくつも通り、道が混雑しています。
もし全員がさんぽセルを使ったら、かなりの音がするのでは?と心配になるのもわかります。
さんぽセルを実際に子供に使わせている人の口コミがありました。
さんぽセルを実際利用して思ったことはコロコロの音とかは思ったよりしませんでした。道路の状態にもよると思いますが、旅行用キャリーケースのガラガラガラ騒音はしませんでした
音のレベルとしてはベビーカーレベルとか、お年寄りがお買い物で使ってるキャスターと同じレベルです— コリノワ(さんぽセル使用中) (@nxh_w) June 9, 2022
ベビーカーと同じレベルなら、思うより大きな音ではない印象ですね。
荷物を持つ手が足りない
毎日ではありませんが絵具・習字道具・裁縫道具・鍵盤ハーモニカ・給食袋・体操着・上履きなど、小学生はランドセル以外にも持ち物があります。
それらを持つとなると、手がふさがれてしまうためさんぽセルは使いにくくなりますね。
それら荷物をまとめてさんぽセルにくくりつけるなどして運べたら都合がいいのですが、そうなると階段などで背負いなおすときに、その荷物をさんぽセルから取り外さなければいけなくなったりして…それはそれで大変そうです。
ランドセル以外に荷物がある日は、さんぽセルは使わず最初から背負って行くほうが良い場面もありそうですね。
混雑
登下校のとき昇降口はただでさえ混雑しますが、さんぽセルを置いて履き替えるときに場所を取り混雑し、さんぽセルがぶつかったり倒れたりするかもしれません。
階段の登り口、降り口も同様に混雑し、危険が想定されます。
置き場所
学校のロッカーはもともとランドセルが入るくらいの大きさしかありません。
近年、小学生の教科書のサイズがB5からA4へと変わったのに伴いランドセルも多少大型化していますので、さんぽセルを取り付けたランドセルがロッカーにはいるのか心配です。
家庭でも同じで、さんぽセルを転がして帰ってきた場合、それをそのまま家の中に持ち込むことには抵抗感があります。
海外はキャスター付バッグで登校もよく聞くけど、土足文化でのこと。着脱も簡単なのかな?道でコロコロしたキャスターを家の中に持ち込むことに私は抵抗があるから…子ども一人で着脱して、キャスター部は玄関に置いて、ランドセルだけ家にすぐ持ち込める感じなら使いやすい。…<Twitterより引用>
やはり玄関でさんぽセルをはずしてからランドセルだけ持ってあがるほうがいいと思います。
ですがいちいち取り外すのが面倒そうですし、キャスターをきれいに拭ってそれごと持ってあがるにしても、毎日の作業として増えると子供にできるかな?と心配になります。
子供によっては、玄関にランドセルを放り出して遊びに行ってしまう、という子もいるので、そういう子供の場合は玄関にランドセルがさんぽセルをつけたまま置きっぱなし、という事態になるかもしれません。
以上、さんぽセルは画期的ですばらしい商品ですが、このようなことに対処が必要になるとすると、将来的に禁止される可能性が出てくると思います。
ちなみに、現在は学校側もさんぽセルの使用を禁止していないようです。↓
文部科学省の「児童生徒の携行品に係る配慮について」という資料により2018年より事実上「置き勉」を許可するなど、ランドセルによる健康被害(ランドセル症候群)への配慮も進んでいます。
耐久性実験等により配布した小学生の実例では、現役小学生の発案で製品化されたという経緯もあり、ほぼすべての事例で学校側も問題にもなっていません。<学校側の対応:悟空のきもち THE LABOより引用>
むしろ問題は学校にある?
こうしてみていくと、さんぽセルを使う人が大人数になると学校では対処しきれない事態になる可能性がありました。
ですがそもそも小学生がさんぽセルを発案したいきさつは、ランドセルの中身が重すぎたからです。
その諸悪の権限を何とかすることにも力を注いでいくべきで、これまでもペーパーレス化をすすめたりや置き勉を認めたりしていましたが、効果がまだまだ感じられなかったわけです。
今回さんぽセルがこれほど注目されている今こそ、学校側にはこれまでよりもっと小学生の荷物を減らす対策に力をいれていただきたいですね。
「さんぽセルを広めるより、置き勉をすすめるほうが現実的」
「従来の重すぎるランドセル問題を前提とした商品ですね。 既に数年前から文科省は置き勉を推奨しており、タブレットは生徒1人1台の時代になりつつあります。 タブレット収納対応の軽量ランドセルを開発して全体の流れを推し進める方が時代に合っていると感じます。」
<Twitterより引用>
そもそもランドセルが不要?
ランドセルを見直すという方向にも意識が向き始めたようです。
ランドセルは年々軽量化されてはいますが、かさ張るし、やはり布やナイロンの鞄よりは重いです。
さんぽセルを使ってよいのなら、機能的なリュックや最初からキャリー付きのバッグを入学時から購入したらいいという意見もSNS上では多く見られました。
ランドセルを購入することは小学校の規則でも何でもないのですから、みんなが同じにする必要は確かにないですね。
これについては、ランドセルの良さを感じている人もいます。
なかには子供が交通事故にあったときにランドセルがクッションになって救われた、という人もいました。
なにより6年間壊れない頑丈さや多少雨に濡れても傷まないところが安心して使えますね。
ですので各自がもっと自由に選べるような風土ができるといいと思います。
ランドセル以外の選択として、最近はこんなリュック型を検討されている人もいます。
値段もランドセルより安く、色も選べるようですよ↓
さんぽセルの未来は?
「やっぱり新しい物が出てきたら反対する人が多いんやね。もちろん安全が第一やけど何でもやってみなければ前に進まないと思う。子供達の通学をみてたらそりゃあ大変よ。根本原因の教科書の量や、そもそも何でランドセルやねんと言う問題はあるけど、なかなか解決しない現状では、何か子供の通学が楽になる新しい物が出てきたら、一概に反対せずにまずは検討してみたらどうかな。」
「他のコメントで、現状を変える必要を指摘されていますが、今重たい状況を改善することも大切だと思いますので、この製品がもっと使われることを願います。」
<Twitterより引用>
結局あれこれ意見が出ても、今すぐ現状を変えられる手段としてこのさんぽセルが登場したことが素晴らしいと思います。
置き勉を認める
デジタル化を進める
ランドセルを廃止する。
どれも個人の力で今すぐには対応できないことばかりですよね。
小学生たちは「今日」も苦しんでいます。
自分の身を守るために明日から出来る工夫として、さんぽセルを世に出したことは素晴らしいです。
本当なら大人が解決するべき問題です。
実際にさんぽセルを使用するには、さまざまな問題点がありますが、選択肢の一つとして認められるといいなと思います。
そして今回さんぽセルが登場したことによって「ランドセルの中身が重い問題」を解決する方向に大きく歩を進められるといいですね。
さんぽセルを開発した側も、ランドセル重い問題が解消され、ゆくゆくはさんぽセルが必要なくなってほしいといっていました。
小学生たちと一緒に同商品を開発した大学生の太田旭さんは、「ほんとうは、いつかランドセルすらなくなって、さんぽセルが売れない時代を夢見てます。」と切実な願いを語っている。
<マイナビニュースより引用>
まとめ
「さんぽセルは危険?学校で禁止される可能性も!そもそもランドセルが不要?」と題して大人気で4か月待ちの商品、さんぽセルについての疑問をまとめました。
実際に使用することを想定すると危険だと思われる問題も多くあり、学校によっては禁止される可能性もあると思います。
ですが真の問題は重いランドセルの中身であって、それを解決するために小学生自身が考えだした商品です。
重い荷物から解放され、肩や腰の負担をなくすことが一番大事ですので、それが可能ならばさんぽセルを使うことはとても有意義です。
小学生の荷物が軽くなることを願います。
最後までお読みくださりありがとうごました。